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平成18年10月 第2248号(10月4日)

私学事業団の役割に期待 独立行政法人の実績評価

 文部科学省の独立行政法人評価委員会(委員長=渡邉正太郎前経済同友会副代表幹事・伊勢丹社外取締役)は、さきごろ、同省が所管する独立行政法人等の各事業年度及び中期目標期間終了時における、業務の実績に関する評価結果を公表した。その概要並びに日本私立学校振興・共済事業団(助成業務)の平成十七年度に係る業務の実績に関する評価結果を掲載する。

1、平成十七年度に係る業務の実績に関する評価…三〇法人
  中期目標の達成に向けて、すべての法人が、ほぼすべての評価項目で概ね成果を上げている。特に、日本私立学校振興・共済事業団、教員研修センター、物質・材料研究機構、放射線医学総合研究所、宇宙航空研究開発機構、日本学術振興会、科学技術振興機構、日本原子力研究開発機構、国立国語研究所、文化財研究所の一〇法人は、ほぼすべての評価項目で「特に優れた実績を上げている」または「中期計画を十分に履行し、中期目標に向かって着実に成果を上げている」と評価された。
  一方、宇宙航空研究開発機構、日本スポーツ振興センター、国立国語研究所、国立美術館、国立博物館の五法人においては、「中期計画を十分には履行しておらず、中期目標達成のためには業務の改善が必要である」との評価項目があった。

2、中期目標に係る業務の実績に関する評価…一四法人
  中期目標の達成状況については、すべての法人が、すべての評価項目で中期目標を概ね達成した。特に、物質・材料研究機構、放射線医学総合研究所、国立国語研究所、国立美術館、文化財研究所の五法人は、ほぼすべての評価項目で「特に優れた実績を上げた」または「中期目標を十分に達成した」と評価された。
  なお、中期目標を十分に達成しなかった評価項目がある法人はなかった。


3、日本私立学校振興・共済事業団(助成業務)の平成十七年度に係る業務の実績に関する評価
 (1)
評価を通じて得られた法人の今後の課題=私立学校教育の振興に資するため、掲げられた目的を達成するため着実に事業を遂行し、その結果、概ね計画を達成できたことは評価できる。今後、これまで事業団が築いた実績を活かしながら、私立学校が抱えるさまざまな課題や要望を適切に捉えた事業の展開について十分に検討し確実に実行することにより、事業団の果たすべき役割を十分に発揮することが期待される。
 (2)
法人経営に関する意見=少子化の進行などに伴い、私立学校を取り巻く環境の厳しさを踏まえ、平成十七年度の決算については、貸付債権に対する今後のリスクに備えるため損失を計上しているが、事業団における各種事業を健全に行うための財務上の基盤強化を図る観点からは、当然の措置であると理解できる。今後、既に実施している貸付事業による貸付審査・債権回収体制の充実や教育条件・経営情報支援事業による学校法人に対する経営相談機能の強化等を図り、私立学校の教育研究の充実や経営の改善や安定に資するなど、理事長のリーダーシップの下、さらに一丸となって取り組むことにより、成果を上げていくことを期待する。
 (3)
特記事項(中期目標期間終了時の見直し作業、総務省からの指摘についての対応等)=助成事業については、事業団自らが行う貸付事業から得られた利益金を受益者である私立学校へ還元するためのシステムであり、事業実績については日本私立学校振興・共済事業団法により定められた当初の目的を十分果たしていると評価できる。

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