平成18年9月 第2247号(9月27日)
■安倍内閣誕生
文科大臣に伊吹文明氏
科技政策等担当大臣に 高市早苗氏
九月二十六日、安倍晋三内閣が誕生した。注目の文部科学大臣には伊吹文明氏が就任した。また、科学技術政策等担当大臣には高市早苗氏が就任した。
伊吹大臣は初閣議後の記者会見で「社会や国家は人で成り立つ。経済や社会生活の安定にも良き人材が必要である。安倍総理も教育改革を第一の重点政策に掲げており、自己規制のできる創造性豊かな、そして、日本人としての社会規範を身につけた人材育成に努力したい」などと語るとともに、学校選択制や教育バウチャー問題について、「教育も国民の血税で行われているものである以上、効率的でなければならない。しかし、そのために憲法で保障される“平等な教育を受ける権利”が損われてはならないだろう。したがって、規制緩和に基づく競争原理からの学校選択制や教育バウチャー制については、やみくもに推進するのではなく、教育の機会均等とのバランスを考えることが大事だ」などと述べた。
さらに、教育基本法の改正については、日本には日本の社会規範がある。それは文化の積み重ねから育まれるものである。伝統的文化の中から生まれた法律以外の社会規範を大事にしていくことが大切であり、その意味から、継続審議中の教育基本法改正案はよくできており、早期に成立させたいなどと語った。
同日、皇居での認証式、官邸での初閣議後に文部科学省に初登庁して臨んだ記者会見では、高等教育の活性化、安倍総理の掲げる「再チャレンジ」に沿った生涯学習の充実、さらに、小泉内閣時の経済財政諮問会議と同様に、教育版の諮問会議を設置したいなどと抱負を述べた。
〈プロフィール〉
昭和十三年一月九日京都府下京区生まれ、六八歳。御室小学校、同志社中学校、嵯峨野高校を経て京都大学経済学部。卒業後大蔵省に入省。同四十年から四年間ロンドンの日本大使館勤務。同五十八年の総選挙で京都一区から出馬しトップ当選。国家公安委員長、労働大臣など歴任。趣味はスポーツ、囲碁、料理、食べ歩き、落語鑑賞と多趣味人間。特にテニスは官公庁大会で優勝の腕前。