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平成18年9月 第2245号(9月13日)

結成30周年を祝う

私立看護系大学協会

 日本私立看護系大学協会(堺 隆弘会長)は去る七月、東京・市ヶ谷のアルカディア市ヶ谷において、同協会の結成三〇周年記念祝典を開催した。
 式典では、堺会長及び日野原重明名誉会長の挨拶のほか、日本私立大学協会の大沼 淳会長をはじめとする各界からの祝辞も披露された。
 続いて「看護教育における私学からの革新」をメインテーマに、記念講演(特別講演)とシンポジウムが行われた。「看護教育における革新:看護の役割の拡大」と題する記念講演では、カナダ・マクマスター大学のバウマン博士が「医療の進歩とともに新しい看護の分野が広がっており、例えば在宅看護などにも進出すべきである」などと強調した。
 一方、「拡大する看護実践を支える教育の革新」と題するシンポジウムでは、名古屋大学の山内豊明教授がフィジカルアセスメントの重要性について、厚生労働省の山田雅子医政局看護課在宅看護専門官がこれからの地域看護活動への期待について、そして、City of Hope National Medical Centerの小宮麻子小児ナースプラクティショナー(NP)が米国におけるナースプラクティショナーの実践と活躍について、幅広い活動体験談などを交えて語り、今後の看護教育の進むべき道を示す示唆に富んだ内容であった。特に、米国のNPの資格は、今後、わが国で看護師の医療における活動範囲を広げるための先例として位置づけられるものであった。
   
 ◆同協会は、昭和五十一年八月に会員校一一校で発足した。今日、会員校は七七校に増え、当初二校であった四年制大学もほぼ六〇校に達している。その間、現在の日野原名誉会長が、会長として二二年間にわたって同協会の活動と発展に貢献した。その理念は「わが国の私立大学の重要な責任を考え、看護高等教育機関の使命達成を目標として、相互の連携と協力によって大学の振興、学術と教育の発展に寄与する」というものである。
 同協会の事業活動は、組織強化に伴って、ますます私立大学の特徴を活かし、看護学研究助成、教員の資質向上、国際交流、大学の運営、国家試験問題の検討、年報・会報の発行など多岐にわたっている。
 また、会員校の要望に応じて毎年、シンポジウムや講演会なども開いている。来る十一月十一日(日)には「看護教育は魅力ある臨床から」をテーマとするFDセミナーが、聖路加看護大学で実施の予定である。
 わが国の看護教育は、毎年五万人の卒業生を輩出している。しかし、まだ看護師として十分な数には達していないのが実情である。また、大学での看護教育は全体の四分の一に過ぎず、引き続き、その質の向上と高等教育化の推進が望まれている。今後とも同協会は私立大学の特性を活かして看護教育の充実に貢献できるよう、活動の幅を一層広げることにしている。

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