平成18年9月 第2245号(9月13日)
■不正行為へのガイドラインを提言
科学技術・学術審総会開く
科学技術・学術審議会(野依良治会長)は、去る九月六日、東京・丸の内の東京會舘において第一九回総会を開催し、研究活動の不正行為への対応のガイドライン、各分科会の審議状況、平成十九年度概算要求などについて審議した。
はじめに、研究活動の不正行為への対応のガイドラインについては、同審議会の特別委員会(石井紫郎主査)で取りまとめた報告書をもとに解説された。
科学技術基本計画の下で科学技術の戦略的重点化等が進められる中、研究者によるデータの捏造等の不正行為が相次いで指摘されているが、新たな知を創造する科学の本質に反するものであり、許すことのできないものであるとの認識から、国費による競争的資金を活用して研究を行う研究者による不正行為への対応(告発等の受付から調査・事実確認、措置まで)について、文部科学省や資金配分機関、大学・研究機関が構築すべきシステムとルールのあり方を検討し、報告書として提言された。
同報告書は、不正行為対応ガイドラインについて、不正行為の定義のほか、告発等の受付、調査、告発者及び被告発者の措置、資金配分機関の措置など、詳細にまとめられた(3面に概要を掲載)。
次に、各分科会の審議状況については、研究計画・評価分科会の「分野別研究開発の推進方策」(総合科学技術会議が策定した「分野別推進戦略」のうち、今後十年程度を見通した上で当面五年間に集中すべき科学技術に位置づけられている「戦略重点技術」を踏まえ、文科省が中・長期的に推進すべき施策)についてライフサイエンス、情報科学技術、地球環境科学技術、ナノテク・材料、原子力、防災、航空科学技術、安全・安心科学技術等の推進方策が説明された。
そのほか、ポスト「二十一世紀COEプログラム」等を検討した学術分科会、地震部会等の活動状況を測地学分科会などから審議状況が報告された。
最後に、平成十九年度の文科省の科学技術・学術政策局、研究振興局、研究開発局に係る概算要求として新規事項等(次代を担う人材への理数教育の充実、大学における人材育成(グローバルCOEプログラム等)、産学協働の人材育成(ものづくり技術者育成支援事業等)、競争的資金の充実(科学研究費補助金等)など)を中心に説明された。