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平成18年8月 第2242号(8月9日)

特定の課題に関する調査 把握が難しい内容を調査研究

 国立教育政策研究所教育課程研究センターでは、去る七月十四日「特定の課題に関する調査」の結果を発表した。同調査は、児童生徒の学力の総合的な状況を把握するため、従来から実施してきた「教育課程実施状況調査」での調査の枠組では把握が難しい内容について調査研究を行い、今後の教育課程等の改善に資するとしている。

 対象は全国の国公私立の小学校四〜六学年、中学校一〜三学年合計約三万七〇〇〇人で、国語、算数・数学について去る一月と二月に実施した。
 T 国語の結果のポイント
 (1)、漢字に関する結果
  共通問題を比較すると、配当学年の次の学年での「書き」の正答率が高まっており、二年間で定着を図る指導に成果がみられる。
  また、漢字の「読み」も学年進行に伴い定着している。
  日常生活や学習場面での使用頻度が高い漢定は定着しているが、頻度が低いものや、範囲が狭いものの定着は十分でない。
  ○正答率の特に低い問題
   読み=小学校 挙手して発言、改行しながら書き、―中学校 趣のある庭、感嘆の声、誇張して話す。
   書き=小学校 チームのしゅりょく、ふくびきのけいひん、ハワイをかんこうする。―中学校 輝かしいコウセキを残す、テンボウ台に登る、フルって応募する。
  ○字形の類似、偏・旁(つくり)による誤答
   読み=挙手をけんしゅ、潤滑をじゅんこつ。
   書き=往復を住復、奮ってを奪って、専門を専問。
  ○音・訓の類似や読み間違いによる誤答
   読み=子孫をこまご、改行をかいこう。
   書き=要点を用点、忠告を注告。
  ○意味の類似による誤答
   読み=縮尺をしゅくしょう、誓約をけいやく。
   書き=健全を健善、賢全。
 (2)、長文記述に関する結果
  調査では、まとまった分量の文章を記述させ、一つの文章を、記述の量、発想や主題・認識、構成、記述などの観点から分析。
  その結果、各観点に正答した小六・中三の割合は六〜八割程度。長文を記述する力を高める指導の成果がみられる。
 U 算数・数学の結果のポイント
 (1)、数学的に考える力に関する結果
  情報を選んで問題を解決したり、変化の様子をグラフに表現するなど、日常事象の考察に算数・数学を生かすことに課題がみられる。
  問題解決に必要な情報をひとつ選ぶ問題に比べ、必要な情報を複数選ぶ問題では正答率が低い。
 (2)、計算に関する力に関する結果
  計算のきまりについて、四則計算における乗除先行の理解が不十分。ただし、具体的場面を設けた問題では正答率が上昇。
  乗除先行の計算(3+2×4)は、小学校では学年進行で十分な定着が見られず、中学校では理解が定着している。
  小数を含む乗除先行の計算(8+0・5×2)では、具体的場面を伴った問題の方が単純に計算する問題よりも正しく答えを求められる傾向がみられる。

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