キャンパス万華鏡
学園草創期編
学園草創期編では、各大学の草創期に想いを馳せてみましょう。創立者の偉大な意志、建学の精神に至るまでの想いのほかに、知る機会の少ないエピソードを募りました。創立者の横顔から、今ある大学の横顔を連ねてみると、これまで知らなかった学び舎の奥深さが見えてくるかもしれません。
東京理科大学
創設者21名とキャンパス壁画
東京理科大学の基礎工学部生が一年次を過ごす北海道・長万部キャンパスには、同大の創設者21名の肖像壁画が掲げられている。
明治14年、東京帝国大学の卒業生19名の青年理学士とほか2名が、「理学の普及」の理念のもと、「東京物理学講習所」を創設。当時は自由民権運動が華やかで、政経法科が盛んな風潮の中、21名の青年達は「国の繁栄は科学技術が基礎」という信念を持っていた。
今日、創設者達の「理学の普及」という理念は、優れた理数教員を養成することで具現化され、同大は教育界のみならず産業界にも多くの人材を輩出してきた。近年では、毎年およそ5000名の卒業生・修了生を社会に送り出し、わが国の科学・技術の発展に寄与している。
長万部キャンパスは、北海道の豊かな自然に囲まれ、学問の基礎を築くには理想的な環境である。この長万部の地に掲げられている壁画は、次世代の科学を担う若者達の寮生活を見守っている。