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キャンパス万華鏡

学園草創期編

学園草創期編

学園草創期編では、各大学の草創期に想いを馳せてみましょう。創立者の偉大な意志、建学の精神に至るまでの想いのほかに、知る機会の少ないエピソードを募りました。創立者の横顔から、今ある大学の横顔を連ねてみると、これまで知らなかった学び舎の奥深さが見えてくるかもしれません。

玉川大学

小原國芳と心の交流

【学長との対話】
 玉川大学の学長でもあった小原國芳は、新入生をクラス単位で自宅に招き、懇談の機会を持つことを恒例としていた。初めて訪問する自宅、そして間近での学長との対面に、学生たちは緊張の色を隠せない。そこで、講演会などで日本各地を訪れていた小原國芳は学生の出身地を尋ね、その土地での思い出を語り始める。懐かしい故郷の話に学生も打ち解け、和やかな時間が流れていく。写真が撮影された昭和45年の同大の学生数は4653名(女子短期大学を含む)。大学の規模が大きくなり、さらに学長が多忙であってもなお、この大切なひと時は持ち続けられた。当時の卒業生にとって思い出深い小原國芳の自宅は「小原記念館」として愛用品などとともに保存され、創立者の足跡を今に伝えている。
【森の修身】
 今から80年前、昭和4年4月に開校した玉川学園。幼稚部、小学部、中学部の児童・生徒と塾生あわせて111名、そして教職員18人の小さな学校としてスタートした。「雄大な自然は、それ自体が偉大な教育をしてくれる」と、自然の尊重を教育信条の一つとした小原國芳。日々の学習は教室内だけに留まることなく、キャンパスの豊かな自然の中でも行われた。写真は小学生の修身の授業。知識を得るだけでなく徳育も重視した小原國芳は、修身の授業を自ら担当。児童との様々な語らいを通じて、心の教育が行われた。創立から80年を迎えた現在もキャンパスには豊かな自然が広がり、季節ごとに異なる表情を見せる。教室を飛び出し自然から学び取る学習スタイルは、今もなお受け継がれている。