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事業計画

主要事業

 主要事業の推進については、重点目標の達成に向け必要に応じて全私学連合、日本私立大学団体連合会の役員会・代議員総会・各種専門委員会、日本私立学校振興・共済事業団、本協会附置私学高等教育研究所・各種専門委員会等及び関係省庁等との連携を図りつつ、研究・情報提供等を行い効果的に対処する。

Ⅰ.新たな私学振興基盤の確立

 私学振興の原理・諸制度の原点を確認するとともに、今後のわが国の動向、高等教育を取り巻く環境の変化を踏まえ、わが国の高等教育を質・量ともに牽引する新たな私学振興基盤の確立を強力に推進する。

1.私立大学基本問題研究委員会

  1.  私立大学に重きをおく高等教育政策を確立・推進するため、国の大学政策や高等教育費支出の適正な在り方(政府予算・税制を含む)等について研究し、私立大学の意見反映に努める。
  2.  学校法人制度、私立大学の基本について研究し、適切に対応する。特に、学校法人運営におけるマネジメント及びガバナンスの強化(ガバナンス・コードの活用促進を含む)、私立学校法等の改正問題及び地方創生に係る諸課題(地方中小規模大学の活性化等)について研究し、私立大学の意見反映に努めるとともに適切に対応する。
  3.  私立大学振興に係る教育研究に関する共通的課題(学生の経済的支援、大学教育の質的充実・質保証、高大接続・大学入学者選抜問題等)、今日的課題(修学支援制度、教育DX、理工系人材養成、リカレント教育等)の諸課題について研究し、私立大学の意見反映に努めるとともに適切に対応する。
  4.  i私立大学振興政策、ii財政基盤の充実・強化、iii教育学術研究の質向上・高度化、iv地方創生に向けた私立大学の役割(社会貢献策を含む)等の基本問題等について研究を行うため部会を設置の上、私立大学経営問題協議会・私立大学教育研究充実協議会をはじめ必要に応じて各種の協議会・研究会等を開催する。
  5. 日本私立学校振興・共済事業団のデータの利活用による加盟大学への情報提供、大学ポートレート(私学版)等の充実をはじめとする私立大学の情報公表と活用等について検討し対応する。

2.大学経営相談委員会

  1.  文部科学省、日本私立学校振興・共済事業団「私学経営情報センター」等と連携しつつ、加盟各大学への経営情報提供、経営相談対応等の効果的な在り方について検討し、必要に応じて対処する。
  2.  学生のセーフティネットの整備に関する研究と対応について検討する。

Ⅱ.教育・研究の充実と活性化

 高等教育のユニバーサル化とデジタルトランスフォーメーション(DX)やグローバル化の動向を踏まえ、私立大学基本問題研究委員会等と連携し、私立大学の振興と教育・研究の充実・強化について調査・研究・情報提供を行うとともに、高等教育政策への提言や関係諸法令の改正等に適切に対応する。

1.大学教務研究委員会

  1.  学士課程教育・大学院教育の質的充実及び特色化方策(遠隔授業をはじめとする教育のDX化、教学マネジメントを含む質保証システム等)を研究するとともに、改正大学設置基準への対応をはじめとする教務業務の改善方策及び関連課題について、調査・研究・情報提供を行う。
  2.  学術研究の充実に向けて、公的研究費の拡充方策とその在り方、産学連携の推進方策、学術情報問題(著作権問題を含む)等について調査・研究・情報提供を行う。
  3. 大学教務部課長相当者研修会の実施。

2.学生生活指導研究委員会

  1.  多様化する現代の学生の意識と実態をとらえ、学生の自立心、社会性、生きる力など人間力を育てるための学生生活指導及び学生支援方策の在り方(SPS[StudentPersonnelServices]、高等教育の修学支援新制度をはじめとする学生の経済的支援方策等)について調査・研究と情報提供を行う。
  2. 学生生活指導部課長相当者研修会の実施。

3.就職・キャリア支援委員会

  1.  就職・採用活動における学生支援の在り方及び学生の社会的・職業的自立に向けたキャリア教育・キャリア形成支援に関する諸問題(特に、学生の学修環境を確保するための就職・採用活動時期の在り方や、インターンシップの推進方策等)について、調査・研究・情報提供を行う。
  2.  就職問題懇談会、日本経済団体連合会等外部の関係団体への対応。
  3.  就職部課長相当者研修会の実施。

Ⅲ.国際交流・協力の推進

 新型コロナウイルス感染症収束後の国内外の状況を鑑み、私立大学における教育・学術・文化等の国際交流・協力及び情報の収集等に関する研究を行うとともに、留学生の受入れと派遣体制及び支援策の総合的整備推進と教授研究者交流の促進等を図る。

1.国際交流委員会

  1.  諸外国、特にアジアの大学との交流・協力について研究・推進するとともに、諸外国の大学等に対して、日本の高等教育情報を提供する。
  2.  わが国の留学生政策等について研究し、私立大学の意見反映と効果的措置を講ずるとともに、必要に応じて海外調査団等の派遣・協力を行う。
  3.  世界大学総長協会(IAUP)、アジア太平洋大学交流機構(UMAP)などの国際機関・教育研究団体との協力・交流を推進する。また、国際会議の開催等についての情報提供を行うとともに、UMAP日本国内委員会及び国公私立大学団体国際交流担当委員長協議会(JACUIE)の運営等について、日本私立大学団体連合会「国際交流委員会」と連携・協力して対応する。
  4.  私立大学留学生別科をはじめとする日本語教育の充実について、当委員会日本語教育ワーキンググループで調査・研究、政策提言を行う。また、日本私立大学団体連合会と連携して関連セミナー等を実施する。
  5.  ASEAN部会において、当該地域の高等教育事情の調査・分析を行い、関連事業を企画・運営する。また、各国の私立大学協会及び中核大学と再締結した包括協定(平成28年度締結)に基づき、調査・研究等を共同で実施することにより、加盟大学の国際交流・連携を推進する。
  6.  加盟大学等の協力によって推進してきた内蒙古・新疆ウイグル研究員の受入れ事業は、休止中であるが、必要に応じて当委員会ASEAN部会で対応する。
  7.  国際交流推進協議会の実施。

Ⅳ.財政基盤の充実と強化

 私立大学の経営を支える財政の確固たる基盤を確立するため、私立大学基本問題研究委員会等と連携し、私立大学への公財政支出及び税制の在り方を含め私立大学財政基盤の充実・強化に関する研究を推進する。

1.大学経理財務研究委員会

  1.  学校法人会計制度並びに学校法人経理の在り方・改善方策について、学校法人会計基準改正への対応、中長期計画の在り方等の調査・研究と情報提供を行う。
  2.  私立大学の財政安定化及び財務の充実策について、公財政支出の拡充や寄附税制の改善、消費税問題対策、収入増加策や支出効率化策等の調査・研究と情報提供に努める。
  3.  大学経理部課長相当者研修会の実施。

Ⅴ.運営・管理の充実と強化

 私立大学における教育と学術研究の充実と活性化に資するため、私立大学基本問題研究委員会等と連携し、大学を設置する学校法人の運営・管理の基本について研究するとともに、ガバナンス機能の強化に努める。

1.大学事務研究委員会

  1.  学校法人・私立大学の運営の公正かつ合理性を図るため、自主性に基づくガバナンス機能の強化(ガバナンス・コード、監査機能の充実を含む)、私立学校法への対応、管理運営組織の在り方及び危機管理体制の構築について調査・研究と情報提供を行う。
  2.  教育・研究の自己点検・評価等を踏まえ、内部質保証を効果的に推進する経営の充実策と事務組織の活性化方策(私立大学の労務管理の在り方を含む)について調査・研究と情報提供を行う。
  3.  事務局長相当者研修会の実施。

Ⅵ.広報事業活動の強化

 私立大学の果たす役割の重要性について、正しく社会一般の理解を得るため、広報事業活動を推進する。大学改革の現場、特に、地方創生に貢献する私立大学の取組などに脚光を当てた広報事業を推進するとともに、きめ細い情報収集・発信を行い、記事の冊子化(キャンパス万華鏡・リサーチ万華鏡)及びデジタル化を推進する。

1.機関紙「教育学術新聞」(週刊)の発行

 機関紙「教育学術新聞」の紙面の充実に努めるとともに、私立大学の振興に係る見解を効果的に発信する。

2.デジタルを活用した情報発信

 本協会、教育学術新聞及び私学高等教育研究所のホームページの更なる充実に努めるとともに、「加盟大学専用サイト」の充実などホームページを活用した各種情報ネットワークの構築やメールマガジンの配信等情報発信機能を強化する。

3.本協会附置「私学高等教育研究所」の広報活動

 私学高等教育研究所の調査・研究活動について、研究レポートとしての「アルカディア学報」の掲載、公開研究会の開催及びその成果の公表並びに調査結果等の情報提供を行う。

4.研究・研修成果等の公表

 私学研修福祉会と協力して行う教務・学生生活指導・就職・経理・事務局長の各種研修会の成果並びに各種課題別協議会等の成果及び調査結果等を逐次とりまとめ加盟大学への情報提供を行う。

5.その他の広報活動

  1.  「広報担当者協議会」を開催し、広報担当者への広報マインドを高める。
  2.  全国大学生活協同組合連合会との共催により「学生の意識と行動に関する研究会」(テーマは適宜)を開催し、相互理解を図るなど、新聞各社の教育担当者に対する啓発活動を行う。
  3.  一般メディアの活用について検討する。

Ⅶ.協会事業の企画・立案・調整

 本協会が実施する事業及び予算に関する企画・立案・点検・調整を行う。

1.企画財務委員会

  1.  事業計画の企画
  2.  予算の立案
  3.  合同研究会等の実施
     本協会が実施する各種研修会、協議会の調整を行うとともに、新たな課題に応じた事業の調査・研究・研修・情報連絡会等を行う。
  4.  事業の体系化・効率化及び組織機構の見直し、研修事業の在り方等について検討を行う。
  5.  私学高等教育研究所の在り方及び運営に必要な事項について検討を行う。
  6.  教育学術新聞等の在り方及び運営に必要な事項について検討を行う。
  7.  役員賠償責任保険やグループ共済保険の制度等について検討を行う。

2.定款等検討委員会

 必要に応じて本協会の定款等についての検討を行う。

Ⅷ.対外対処事業

 私立大学の意向を関係方面に反映し、その実現を期するため、役員会をはじめ各種専門委員会・私学高等教育研究所・各支部等において、私立大学振興の重要事項に関する調査・研究と対策活動を推進する。

1.本協会役員会・総会

  1. 会長・副会長会(毎月第4金曜日に原則開催)
  2. 常務理事会(毎月第2金曜日に原則開催)
  3. 理事会(毎月第4金曜日に定例開催)
  4. 総会(毎年10月・3月に開催)

<対処事業>

  • 制度・行政・法令関係及び各種審議会等政府・国会等への折衝
  • 国庫補助金・税制改正等への対応
    ~耐震改築支援、激甚災害制度の改善等の推進を含む~
  • 自然災害等の支援の継続強化
  • 私立大学関係団体及び機関との連携・協力
  • 倫理綱領及び経営指針に関する委員会

2.日本私立大学団体連合会

  1.  役員会
  2.  代議員総会
  3.  事務局長・参与会(毎月第1・第3月曜日に原則開催)
  4.  委員会等
  • 高等教育改革委員会
  • 公財政改革委員会
  • 就職問題委員会
  • 国際交流委員会
    ・日本語教育推進運営委員会
  • 大学経営委員会
  • 私立大学経営倫理委員会
  • 私立大学災害対策委員会

3.全私学連合

  1.  代表者会議/拡大会長会議
  2.  私学振興協議会
  3.  事務局長会議(毎月第1・第3月曜日に原則開催)
  4.  委員会
     ・必要に応じて設置

4.関係諸団体

  1.  日本私立学校振興・共済事業団
  2.  一般財団法人私学研修福祉会
  3.  公益財団法人私立大学退職金財団
  4.  公益財団法人日本高等教育評価機構

Ⅸ.その他の事業

  1.  各支部との連携強化(情報共有・政策協議等)により、各地方自治体への要望や政策実現に向けた活動を支援する。
  2.  昭和21年(1946年)12月7日創立の本協会は、令和8年(2026年)に創立80周年を迎えるため、諸準備を行う。
  3.  私学振興上の基本的課題が山積する大転換局面にあたり、本協会附置の私学高等教育研究所の活動を一体的に強化・支援する。
  4.  日本私立学校振興・共済事業団の「学校法人基礎調査(納付金調査)」のデータを利活用して、令和6年度「学生納付金等調査」報告書(日本私立大学団体連合会編)を日本私立大学連盟と連携の上、合同で作成し、加盟大学への情報提供に資する。
  5.  日本私立大学協会マーク(私大協マーク)の効果的な活用の推進。
  6.  その他、本協会の目的達成に必要な事業(DXを含む)を適宜実施する。