研究成果等の刊行
「学校法人の現状とこれからの課題」
講演者:瀧澤 博三、篠田 道夫、両角 亜希子
はじめに
私学高等教育研究所主幹 瀧澤 博三
私立学校法の制定により、戦後の私学発展の基盤となってきた学校法人制度が発足して既に60年余を経ましたが、その間、平成14年にガバナンスの観点等から幾つかの改正が行なわれたほかは大きな手直しもなく、私立学校法によって確立されたこの制度の基本は、わが国の私学の発展と高等教育の整備充実に極めて大きな役割を果してきました。しかし、ここ20年ほどは、行革や規制改革の流れの中で、国立大学の法人化、株式会社の大学参入など設置者の在り方の大きな変革が行なわれ、これらの改革と絡んで学校法人の在り方についても幾つかの課題が提起されてきました。
当研究所では、これらの課題について調査・研究し、学校法人の問題点を整理することを目的として「私学経営の在り方に関する研究プロジェクト」の中に「学校法人の在り方研究チーム」を設けていましたが、今年3月にはその成果を研究叢書「学校法人の在り方を考える」として纏め、発刊したところです。今年6月に開催された第52回の公開研究会では、その内容を踏まえ、「学校法人の現状とこれからの課題」をテーマとして、チーム・メンバーから発表させて頂きました。
私学の経営形態は多様であり、それぞれにメリット、デメリットがあって、この多様性は充分に尊重されなければなりませんが、一方で国民の信頼をえて発展の基盤を確かにするためには、基本となる標準的なあるべき姿を描いていく必要もあるでしょう。この冊子は、この公開研究会の記録をまとめたものですが、各学校法人がそれぞれの多様性と個性を生かしつつ、未来に向けてよりよい姿を描くうえでご参考として役立てて頂ければ幸いです。
- 瀧澤 博三 氏 (私学高等教育研究所主幹)
【講演】「学校法人の基本理念-その議論と方向性」(PDF形式)
- 篠田 道夫 氏 (日本福祉大学常任理事)
【講演】「学校法人制度の特質と中長期計画に基づくマネジメント改革」(PDF形式)
- 両角 亜希子 氏 (東京大学大学院教育学研究科講師)
【講演】「学校法人制度の特徴と課題-諸外国の比較から」(PDF形式)
- 増田 貴治 氏 (東邦学園理事・法人事務局長)
【コメント】「『学校法人』の基本に立ち返って―第52回公開研究会の議論から」(HTML形式)
*** 「関連資料」部分等は割愛しました。 ***