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研究成果等の刊行

No.33(2008.12)

「大学院改革と専門職大学院」

講演者:藤原 章夫、伊藤 文雄、天野 郁夫

はじめに

私学高等教育研究所主幹 瀧澤 博三

 戦後アメリカの制度をモデルにして新しく発足した日本の大学院は、発足時の混迷を引きずり多くの課題を抱えたまま、70年代に入って、国際比較の視点などから急激な拡大政策が採られてきました。研究者養成への偏りの批判に対する抜本的な改革を先送りにし、教育目標のあいまいなままでの大学院拡大路線は、大学院の人材養成と社会の人材需要とのギャップを一層浮かび上がらせてきたと言えるでしょう。
 こういう状況の中で、2004年4月から専門職大学院の制度が発足し、法科大学院をはじめとして、マネジメント、公共政策、会計、知的財産などの分野で急速に展開しつつあり、来年度からは教職大学院も発足の予定です。このような専門職大学院の動向は、人材養成目標の明確化、目標に即したカリキュラムの組織化など、かねてから大学院の基本的な課題とされていた問題の進展に大きなインパクトを与えるものと評価されますが、当面は、教員組織やカリキュラムのあり方、評価体制の確立等を始め、これらの問題に関する関係の業界、職能団体等との連携のあり方など、課題山積だと思います。
 また、専門職大学院と大学院の一般の課程や学士課程との境界、役割分担、接続など、大学の他の教育システムとの整合性をどのように整えるかということも大きな問題であり、これらは今後大学全体の改革課題となってくるものと思われます。
 第34回の公開研究会では、文部科学省の担当官並びに、専門職大学院の関係者と高等教育の研究者からそれぞれ代表的なお二人の先生を講師としてお招きし、専門職大学院をめぐって、それぞれのお立場からのご講演をお願いしました。

  1. 藤原 章夫
    【講演】(PDF形式)
  2. 伊藤 文雄
    【講演】(PDF形式)
  3. 天野 郁夫
    【講演】(PDF形式)
  4. 瀧澤 博三
    【コメント】「大学院改革と専門職大学院―第34回公開研究会の議論から」(PDF形式)

*** 「関連資料」部分等は割愛しました。 ***