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研究成果等の刊行

No.28(2007.10)

「一年次教育の意義と課題」

講演者:山田礼子、杉谷祐美子、沖 清豪

はじめに

私学高等教育研究所主幹 瀧澤 博三

 高等教育の大衆化の進行に伴い、また高校側のカリキュラム多様化の影響も加わって、大学入学者の多様化は着実に進んできました。各大学はそのことを強く意識し、入学者の大学教育への円滑な移行のために、オリエンテーションの強化、学習スキルの教育、履修指導体制の整備などにかなり力を注ぐようになってきました。しかし、これらを全体として体系化し、その教育理念を明確にして、学士課程の教育計画にしっかりと位置づけるというまでにはまだまだ至ってないというのが現状だと思います。
 一方、いま大学は競争の時代だということが余りにも強く意識されており、そのため大学改革の議論の焦点は、経営力の強化や話題性のある新しい大学院などに移ってきているように思われます。その半面で、大学の最も基本的な使命である学士課程の教育のあり方、特にユニバーサル化時代の学生の多様性にどのように対応すべきかという大きな課題に正当な位置づけが与えられているとは言えないのではないでしょうか。
 本研究所では、かねてから同志社大学社会学部の山田礼子教授をリーダーとする本研究所研究員のチームによって、「効果的導入カリキュラムの開発」に関する研究を続けてきましたが、このたびその成果が纏まり、私学高等教育研究叢書「私立大学における一年次教育の実際」として刊行されました。この機会に、本研究所では第29回の公開研究会を開催し、チームの各先生にこの研究成果についてご報告していただくとともに、アメリカにおける一年次教育の動向にも触れ、これらとも比較しつつ、わが国における一年次教育の問題点、将来への展望などについてお話を頂きました。この冊子は、この公開研究会の記録を収録したものですが、学士課程教育のあり方が大きく取り上げられている折から関係者にご参考としてご活用いただければ幸いです。

  1. 山田礼子
    【講演】「研究紹介」(PDF形式)
  2. 杉谷祐美子
    【講演】「学部別に見た特徴と課題」(PDF形式)
  3. 沖 清豪
    【講演】「受講生調査の知見と課題」(PDF形式)
  4. 山田礼子
    【講演】「データから見る日米比較と日本の課題」(PDF形式)
  5. 森 利枝
    【まとめ】「一年次教育の意義と課題 第29回公開研究会の議論から 」(HTML形式)

*** 「関連資料」部分等は割愛しました。 ***