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愛知学泉大学
  “社会人基礎力”養う弁当開発

 大学側が考える教育効果は「学んだ結果に対する従来型の評価」ではなく、「自己評価・他者評価を活用した振り返りと気づきのための評価」を前面に押し出し、学生が能動的に取り組んでいける授業実践を展開していく。
 具体的には、コンビニエンスストアを運営する株式会社ココストアとの産学連携事業を、平成18年から始めた。
 第一期事業では家政学部家政学専攻チームが、若い女性をターゲットとした弁当を開発。第二期事業では、管理栄養士専攻チームが成人男性をターゲットにした栄養健康弁当と、家政学専攻チームが“愛知の味”をテーマにした「ふるさと弁当」をそれぞれ開発し発売した。第三期事業では、さらに充実した弁当開発に向けて活動を行っている。また、経営学部が、第一期から継続して店舗での在庫管理・マーケティング戦略を担い、学生の視点で店舗運営に参画している。
 ココストア側は「商品開発において学生さんたちのフレッシュな視点やアイディアをいただける」と感じており、開発された商品の売り上げが好調で、携わる社員の意識向上というでも手応えを感じているとのこと。
 同大は、経済産業省が推進する大学教育モデル事業「社会人基礎力育成評価事業」のモデル校に採択され、「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」といった、職場や地域社会で働く上で必要だと考えられる能力を伸ばすことに取組んでいる。
 これらの活動を通し、「社会人基礎力」として、段階的に学び、また、経験することで、同大では毎年高い就職率を維持しており、社会に出た学生も即戦力として期待されている。

くらしき作陽大学
  “生活習慣病対策弁当”

 農林水産省推進の「にっぽん食育推進事業」で、食育先進地のモデル実証事業として地元の流通大手である株式会社マルイと同大食文化学部栄養学科の実践グループが“生活習慣病対策弁当”を共同開発した。
 岡山での食育推進活動では「食事バランスガイド」を活用し、子育て世代を対象に、朝食の欠食、野菜の摂取不足、食事に対するバランス意識の欠如といった、「食」に関する問題を地域住民に再認識してもらうなどした。
 平成二十一年度も弁当企画は継続し、この試みにより栄養価のみの観点だけではなく、人々に喜んでもらえる食事を創造していく感性を身に付けるなど、同大では、地域貢献の一環として、実際に地域住民の健康促進に取組んでいる。

浜松大学
  ヘルシー“茶レンG(チャレンジ)弁当”

 平成20年11月、同大健康プロデュース学部健康栄養学科三浦ゼミの学生は、地元、浜名湖競艇場で、自分たちがメニューを考案した弁当とスイーツを販売した。これは、浜名湖競艇企業団が地元のPRを兼ね、地産地消を意識した食材で、オリジナル弁当や軽食を提供し、誘客に結びつけようとする企画。審査の結果、弁当一品と軽食二品が選ばれた。
 弁当は静岡茶で炊いた「お茶ご飯」に駿河湾で獲れたしらすをかけ、「レンコンのてんぷら」とインゲンのゴ(G)マあえ、秋の味覚「柿入りのなます」、寒い冬に体を温める豚肉としょうがを使った「しょうが焼き」など、栄養バランスを考えた「茶レンG(チャレンジ)弁当」。スイーツは、地元、三ケ日みかんをふんだんに使った「みかんケーキ」、秋の味覚サツマイモを使い、船の形に焼きあげた「スイートポテト」。いずれも1時間以内に完売するほどの好評を博した。なお、弁当の栄養価は、エネルギー720`i、たんぱく質34g、炭水化物104g、脂質16.2g、食物繊維5.3g、ビタミンC36r、鉄3.3r、コレステロール224r、食塩相当量3.1g。

玉川大学
  “たまがわハニーアイスクリーム”

 「たまがわハニーアイスクリーム」は、昭和45年に農学部の食品加工実習の一環として始まり、長きにわたって玉川の名物として販売されてきた。そして平成21年度、(学)玉川学園創立80周年に合わせ、中身もパッケージも改良した新しい「たまがわハニーアイスクリーム」を製造、5月に販売を開始した。
 今回、リニューアルに向けてアイスクリームの開発に携わったのは、農学部の有志の学生。コンセプトの検討から試食アンケートの実施、材料の配合まで、さまざまな観点を見直し、何度も改良を重ねた。脱脂濃縮乳をベースにして濃厚感を高め、ハチミツは数十種類の中からアイスクリームと相性の良いこだわりのものを選出。滑らかでコクのある食感と、風味豊かなハチミツがマッチした味に仕上がった。パッケージにも二色のスクールカラーを使用し、同大オリジナルのアイスクリームが新たに誕生した。また、同大では、実習の一環として、同学園幼稚部生のアイスクリーム作りにも協力するなどした。

酪農学園大学
  愛情いっぱい“酪豚”

 “酪豚”は「酪農学園大学豚」の略で、同大のオリジナル・ブランド。大ヨークシャー、ランドレース、デュロックの三品種をかけあわせたメスに、奄美大島の島豚のオスを交配して生まれた交雑豚。同大の学生サークル「中小家畜研究会」が愛情いっぱいに育てている。肉はきめ細かな赤身部分にサシが入り、大変ジューシーで柔らかく、脂肪が口の中で溶け、しかも豚肉特有の臭みがない。その理由は交雑に加えて、豚舎の環境を整え、エサの配合を工夫しているためだ。
 ビニールハウスの豚舎の床に、もみ殻を90センチくらいの高さまで敷いたバイオベットで豚を飼育。菌が糞尿を分解し豚舎が臭くならないので、肉に悪臭がつかず、ハエもわかずに冬でも暖か。豚房面積当たりの頭数を通常の3分の1以下にしているので、豚はのびのび育って病気になりにくい。
 さらに、エサは、配合飼料に小麦粉、ふすま、ゼオライト、乳酸菌、酵母、酵素、ビタミン、ミネラルを混ぜている。これらにより豚の免疫力が上がり、下痢が予防され、糞のにおいが抑えられ、肉にサシが入る。加えて、生後2ヶ月目からは、抗生物質を使わないので安全な肉ができる。
 こうして育てられた“酪豚”は、民間業者によって精肉のほか生ハム、ベーコン、ソーセージなどとして市販されている。

富士常葉大学
  新名物“左富士弁当”

 同大F.S.T倶楽部(富士サービス・アンド・ツーリズム倶楽部)は、同大の観光ビジネスコースの大久保あかね准教授のゼミから発展したサークル。
 食は旅の楽しみの一つだが、富士市には名物と呼べるものが少ない。そこで、富士の魅力をPR出来るような弁当を、と企画された。弁当開発は、NPO法人東海道・吉原宿の提案で本格始動。サクラエビ、朝霧のブランド豚、アジを練り込んだがんもなど、富士山から駿河湾までの味がぎっしり。同倶楽部と地元NPOの協働開発により、地元食材にこだわった“左富士弁当”が誕生した。
 市内の歴史をひもとき、食材を調査し、各社の弁当を食べ比べて研究を重ねた。弁当のパッケージは地場産品の紙を印象づけるため段ボール素材を採用。イベントでは100食を完売し、評判も上々だ。

椙山女学園大学
  卒業生と共同企画で商品開発

 平成20年、管理栄養士を目指す同大の生活科学部管理栄養学科の学生と、ファミリーマートの弁当商品開発を行っている同科の卒業生が共同して、生活習慣病予防や、アレルギー抑制に効果が期待される亜麻仁(アマニ)を使用した健康志向の弁当を開発した。
 商品化された弁当は、平成20年4月から5月にかけてと、10月から11月にかけて、東海地区(愛知、岐阜、三重、静岡の一部地域)のファミリーマートで販売された。10月に販売された弁当は、管理栄養学科の学生約300名へのアンケートをもとに、商品開発されたもので、全国のファミリーマートで展開された「女子大生発おいしいものフェア」の一環としても位置付けられ、同ホームページにも紹介された。
 平成21年も同様に、学生が食材提案して商品化された二種類のサラダが販売されている。

北陸学院大学
  豚肉“αのめぐみ”

 食育基本法において地産地消が推奨され、健康日本においても日本人の食事摂取基準のなかで脂質については、脂肪エネルギー比率のみならず、その質も考慮する必要性が示され、増やすべき栄養素としてn―3系脂肪酸とその目標量が明記された。
 なかでも、豚肉は、バランスの良いアミノ酸組成を保有し、タンパク質、ビタミンB1の優れた供給源。同大では、石川県畜産総合センター、日清オイリオグループらと産学官研究で、生理活性面で有用な効果を持つ不飽和脂肪酸のn―3系脂肪酸のα―リノレン酸を多く含む植物油であるアマニ油を飼料に添加し、付加価値の高い豚肉“αのめぐみ”の開発に成功(平成15年3月特許出願、平成16年10月公開)し、石川県内で生産、一般市場に提供した。
 消費者からは、脂が甘く、柔らく、歯切れ、味などで高い評価を受けており、地産地消と県民の健康づくりに貢献している。

聖徳大学
  県知事賞のコンビニ弁当

 平成20年11月に開催された、千葉県主催の「栄養士のタマゴが考えた! ヘルシーコンビニ弁当コンテスト」にて、同大人文学部人間栄養学科の学生2名の作品が千葉県知事賞に輝き、平成21年5月に千葉県内のセブン―イレブンで、五十嵐唯花さんの「あさり弁当」、八木下智恵さんの「豚焼肉弁当」が発売された。
 それぞれの弁当は、「エネルギー700キロカロリー以下、塩分4g以下、脂質14〜22g、野菜量120g以上」という、20〜40代男性がおおよそ一日にとるべき量の3分の1量を基準にし、さらに千葉県産の食材を使ったヘルシーなものとなっている。
 学生は食品メーカーとの打合せを経て、弁当工場を視察、自分の考案した弁当の商品化を実現した。また、千葉県知事との記者会見や地元テレビ局の番組出演にも積極的に参加してPR活動をした。全過程に学生の気持ちがこもった力作となっている。

徳島文理大学
  杏のジャムと杏仁豆腐を開発!

 徳島文理大学理工学部は、香川県さぬき市にキャンパスを構える。そのさぬき市志度では、桜より少し早く杏の花が満開になる。杏は志度の花。そして杏の実は六月になると熟して綺麗な杏色になる。
 理工学部の体験教育支援センターとボランティアサークル・レインボーの会が共同して、杏を使った地域特産物の開発に挑戦。杏の実はジャムに、杏の種は杏仁豆腐の材料に。ジャムは酸味が強く色も薄めのオレンジ。そこで、地元和三盆の精糖段階で生まれる副産物、糖蜜の利用を考えた。初期の試作品は、色合いを損ね、甘くなりすぎるなど互いの良さを殺してしまうものだったが、試作と試食を重ねた結果、イメージに合う色合い、酸味を活かしながらも角をとったまろやかさが生まれた。

 85年前の駅弁再現!
 徳島文理大学では、徳島新聞と共同で大正15年に徳島駅で販売されていた駅弁再現することになった。85年前の徳島新聞社の記事に、当時の鉄道省が徳島線内各駅の駅弁について行った検査で、食品名と飯重量が記載されていたのが発端。金額の表示もなく、当時の様子を探るにも情報がほとんどない状態だった。手探りで始まった再現プロジェクトだが、弁当容器や調味料、食材集めに奔走し、大正時代から創業している醤油製造店や酒蔵に連絡を取り、現在でも入手可能なものを求めたり、学生が業者から見本品をもらい受けたりして試作を重ねた。飯の150匁(飯563g、米245g)という量は、1合(150g)の1.6倍に相当する量。経木の弁当箱に飯を詰め、煮魚や卵焼き、煮物を取りあわせ、漬け物を盛り込んだ、まさに大正15年当時を髣髴とさせる徳島駅の上弁当に仕上がった。

和洋女子大学
  トマト缶で自立支援

 生のバジルがほのかに香る、甘さと酸味が絶妙なトマトソース。この缶詰は和洋女子大学の現代GPの取組の一つ「障害者就労支援による地域活性化への取り組み」から誕生した。
 このおいしいトマト缶は平成18年の障害者自立支援法施行に伴い、地域に投げかけられた課題「障がい者が地域で安心して暮らせる社会基盤作り」に一つの解決策を提示した。
 同大では今後、この缶詰を販売ルートに乗せ、継続的な障がい者自立支援システムの構築に繋げたい考えだ。

東海学院大学
  地域との架け橋「キャロットジャム」

 東海学院大学健康福祉学部食健康学科は、附属研究機関の地域食育サポートセンターと連携して地産食材の有効利用に取組んでいる。発端は、味や品質とも無類の美味しさと太鼓判を押されている岐阜県各務原市特産のにんじんが多収穫の煽りで畦道に捨てられていたことに心を痛めた時である。同大の学生達が「私達で何とか有効利用策を考えよう!」とジャムづくりに立ち上がった。


 最初はジャム特有の滑らかさや程好い甘さを出せず、夜遅くまで悪戦苦闘の日々が続いたが、市販品に勝るとも劣らないジャムを製造できるようになった。
 原材料は各務原市産品種の「恋ごころ」。先般、同市主催の2009かかみがはらフードフェスティバルでこのジャムを販売し、瞬く間に完売した。

花園大学
  学生考案の念珠

 花園大学では、経済産業省提唱の「社会人基礎力」育成のために、後期授業「起業研究」で、創業330年の安田念珠店と協働し、念珠の商品化に取組んだ。
 学生たちは七つのグループに分かれ、約3ヶ月にわたり課題に取組み、授業外でも店舗見学や坐禅体験に行くなど主体的に活動。その内容は「経済産業省社会人基礎力グランプリ」でもプレゼンテーションされた。学生たちが実践的な力を身につけ、社会貢献できることが期待されている。

西日本工業大学
  「シャボン玉石けん」と連携協力

 西日本工業大学とシャボン玉石けん(株)は、研究や商品開発を共同で行うことを目的に、産学連携協力の協定を結んだ。
 この連携協力の第一弾として、デザイン学部情報デザイン学科の学生が授業の一環として、同社が製造販売する無添加石けんやシャンプーなどのスターターキット(お試し商品)製作等に取組んでいる。学生が同社のポリシーやコンセプトを十分理解した上で、学生なりの新しい発想力で製作に取組む。学生にとっては、実践的な研究・開発は大きな経験となる。また、若い世代のニーズを知りたい企業側にとっても期待は大きい。
 スターターキットの製作は、正課の授業である特別演習「シャボン玉プロジェクトT」として、また、現在はその他にもグループごとにそれぞれのプロジェクトに取組み、同社へのプレゼンテーションや課題解決に切磋琢磨している。

中部大学
  学部ごとにキュージョン!

 中部大学は、同大が文系理系七学部の総合大学であるということを一目で知ってもらうべく、同グッズを制作した。7体のキューピーが学部を象徴したコスチュームに身を包む。すでに、オープンキャンパス等で同大に足を運んだ方に渡すなどしており、受験の際には合格のお守りとして、志望学部のキューピー人形を携帯電話に付けて受験する生徒もいたとか。

近畿大学
  アスリート向けドリンク&栄養機能食品

アスリート向けドリンク「タフゲン」
 近畿大学と株式会社阪本漢法製薬は、運動をサポートするアミノ酸を多く含むスポーツ選手向けドリンクを共同開発し、阪本漢法製薬より発売されている。
 「サカンポーエナジードリンク タフゲン」は、近畿大学理工学部生命科学科の南武志准教授と阪本漢法製薬が共同で開発した。活動的な体作りを行うアスリートの、コンディションをサポートするドリンクの開発を目指し、約2年をかけて製品化したもの。筋肉のエネルギー源となる「バリン」、「ロイシン」、「イソロイシン」(総称:BCAA=分岐鎖アミノ酸)、「アルギニン」という四種類のアミノ酸が、豊富に含まれている。1本(100ml)あたり、BCAAは1750mg(バリン450mg、ロイシン850mg、イソロイシン450mg)、アルギニンは2000mgが含有されている。とりわけ、アルギニンの含有量が多いのが特長である。

栄養機能食品「ブルーヘスペロン キンダイ」
 (株)ア・ファーマ近大は、食品などの製造・販売を行う大学発ベンチャー。
 薬学部を中心とするグループが、早摘みの青みかんにポリフェノールの一種「ヘスペリジン」が多量に含まれることを発見し、サプリメントとして製品化することに成功。ブルーヘスペロンキンダイは近畿大学薬学部・農学部・生物理工学部・東洋医学研究所・附属農場が連携し、それぞれの分野の知的財産を結集させて研究開発・商品化したものである。近畿大学薬学部薬用資源学研究室では、長年日本人に馴染みの深い温州みかんの有用性を研究し、青い時期の早摘みみかんに新しいパワーを見出した。青みかんの有用成分ヘスペリジン・ナリルチンの含有量が最も高い時期に収穫し、青みかんまるごとを独自の手法によって加工したものを使用している。

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